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Fish哲学の学ぶ

「承認」の事例として面白い例を紹介します。米国ワシントン州北部の太平洋側に位置する小さな港町シアトル。
暖流の影響で、緯度が高いわりに暖かいが、年間の日照率が低く、冷たい雨と曇りがちな天候で気持ちも曇っています。
そんな暗いイメージの港町の一角に、パイププレイスフィッシュマーケットという魚市場があり、その市場で実際にあった話です。
(あの、スターバックスの一号店の向かい側にある魚市場です)


陸揚げされた魚介類が店頭に並ぶが、冷たく暗い市場には人影も少なく、市場の仕事も辛く、冷たく、きつい。いわゆる3K職場です。
ここには、モチベーションという言葉すらなく、タイムカードを刻印したら、逃げるように帰宅します。
そんな日常だったのですが、ある日、従業員の1人が、ふと、思いました。

「何故、俺は、ここで働いているのか?」「働くだけなら他にもあるじゃないか、何故この市場なのか?」

そして、気がつきました。「この市場、いや、お客さんの笑顔が好きなんだ。」と。
そこで、「明日は、お客様の笑顔のために働いてみよう。」と思い、次の日、新聞紙でくるんだ魚を手渡す時、大きな声と笑顔で、
「Thank you」と叫んでみました。お客様は、一瞬の驚きの後、満面の笑顔になりました。嬉しい。こんな風に感じるのは初めてでした。
次の日は、新聞紙で魚を包む時、リズミカルにステップしてみよう。リズミカルなステップで、お客さんに喜んでもらい拍手をもらった。
嬉しい。これを同僚の仲間にはなした。仲間もやって見ようと、2人でやって見たら。嬉しい×2。
このようなパフォーマンスが仲間内で話題になり、仲間の1人が、店先でお客が選んだ魚をレジまで投げてみようと言いだしました。
店先からレジへ魚が飛ぶ。昼休みなどは、近所の会社員が、このパフォーマンスを見物に来るようになりました。客の中には自分で
魚を投げたという人も、出てくるようにもなりました。成功しても、失敗しても拍手喝采。暗い市場が劇場になりました。
店員もバックシュートやターンシュートの技を磨き、「Hey, You wants the BIG Salmon!」と大声で叫んで魚を投げる。
レジ係もナイスキャッチ、歓声と拍手に包まれます。半年前には、考えられなかった光景です。

「魚を投げる」ことについて、マニュアルも従業員就業規則も記載はありません。(勿論、投げてはいけないとも書いていない)
何尾投げても給料は、変わらないでしょう。では、何故、投げるのでしょうか。もらっているのは、給料ではありません。
如何に、客を楽しませるか、そして、自分が楽しむことです。このことは、教えられなくても全員が会得しています。
ここから、「Fish哲学」が生まれました。Fish哲学では、4つのアクティビティを意識しています。

①Be There(真摯な態度):本気で相手に接する→顧客満足度
②Play(遊び心):ユーモア、遊び心を盛り込む→自分が楽しむ
③Make their day(楽しくさせる):「Thank you」と言ってもらうような振る舞い
④Choose your Attitude(態度を選ぶ):自分で態度を決める

この4つのアクティビティにはそれぞれのイメージカラーがあり、その色の魚の形をしたバッチがあります。そして、仲間が相互に、
4つの尺度で評価しあい、どれかに合致した時、Thank youを添えてその色のバッチを与えます。仲間は、色とりどりの魚の
バッチを誇らしげに胸に並べます。この些細な行動で、職場が蘇ったのです。
魚市場だけではありません。実際、病院、学校、工場、どんどん魚のバッチが増え、魚が飛び交う職場になっています。
勿論、本物の魚ではありません。既に、お気づきとは思いますが、魚は、タスクであり、コミュニケーションなのです。
タスクや、コミュニケーションを受け取る準備、投げ方、タイミング。そして、楽しみ方、遊び心。
Fish哲学で集団が元気になり、周り(ステークホルダー)も元気になります。
また、Fishを与えるということは、相手4つのアクティビティを認め承認することです。承認することされることは、お互いの意識を替え
モチベーションが向上します。魚市場では、モチベーションという言葉を使わず、モチベーションを上げることができました。
魚を投げようと態度を決めるのは、あなた自身なのです。