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観察力

観察力とは、文字通り観察することですが、重要なのは、事実とそれ以外を分けることです。
事実は、唯一無二ですが、それ以外とは、例えば、意見とか希望とか願望とか、環境や感情に左右される部分であり、
これが事実として誤って捉えられることがあります。このため、誤った判断をしてしまうこともありますので要注意です。

事実を正確に表現するコツは、大きい小さいなど、程度を表すような形容詞を取り除くことです。
例えば、大きい、小さいなどは、何かに比べて大きい小さいと言っているわけで、比べる対象は話者が勝手に想定しているのです。
聞いている人の想定と一致しているとは限らないでしょう。更に、できれば数値で表現することで具体性が増します。
そして、語尾は簡潔に言い切りましょう。少し、例を示しましょう。

「ほんと、きょうは、非常に暑いですねぇ」

如何でしょう。事実は、「今日は暑い」ことだけです。「ほんと」とか「非常に」は話者の感情から組み込まれた表現です。
更に、「ですねぇ」といのは、話者が相手に同意を求めている表現とも考えられ、事実ではないですね。
また、今日とか、暑いという表現も不明確さを含みますね。今日とは、いつのことでしょう?更に、明け方なのか日中なのか?
暑いとは、気温でしょうか、湿度でしょうか、体感温度でしょうか。このように正確さを追求し、必要に応じて質問をすることも大切です。

「今日、〇年〇月〇日、午前9時現在、気温は21度、湿度は60%です。」
これが事実です。更に付け加えるとすれば、その時の天気は、計測した場所や環境は?というのも気になりますね.
そして、「この事実から、前年同時期に比べ、湿度が高く、暑く感じます。」という意見が表現されます。
事実と意見の違いはお判りでしょうか。更に付け加えるとすれば、「そこであなたはどう思分けますか?」という問いかけが加わります。
如何でしょう、このような雑多な内容が、「ほんと、きょうは、非常に暑いですねぇ」という表現にコンパクトに集約されています。
ある意味便利ですね。ただ、これを聞いた人の受け止め方や、行動は、限定できるものではありません。
つまり、短くてコンパクトではありますが、ミスコミュニケーションを起こるリスクを秘めているのです。
事実とそれ以外を明確に分離することで、誤解や解釈の違いは抑えられるはずです。事実って、すごく無味乾燥でつまらないものです。
ニュースなどを見ていると、最初は、事実を淡々と述べ、その後、ニュースキャスターの意見や感想が付け加えられる場合もあります。
この場合は、事実と意見を文章を分け、明確に区別できるように表現しているでしょう。
報道では、正確さが求められますので、当然、このようなことを意識して原稿が作られています。つまり、
「。。。。」でした。:事実
「私は、。。。と思います」:意見
あるいは、
「これを見ていた人々は、。。。と感じたことでしょう」:状況報告
ここで、主語と語尾をそろえることで、事実か(誰の)意見かがはっきりします。特に、日本語は、主語や結論がなくても伝わる言語で、
そこには、阿吽の呼吸とか忖度が絡みます。その結果、誤った解釈とか間違って伝わることを容認しているのです。
極端に文字数を絞り込んだ、和歌や短歌は、読み手と聞き手の解釈の違いを楽しむ芸術かもしれません。
観察力で事実を探求し、クールは判断をする姿は、学者や研修者に通じる物があります。